各地域の転職マーケット情報

各地方の主要産業やニーズの多い職種は?あなたのスキルや経験を活かすことができる仕事はどれくらいあるのか、現地の転職市場を知りましょう。

福島県の転職マーケット情報

福島県における産業の特徴

福島県は、人口約197万人(2014 年8月)、県内総生産約6 兆8000億円(2012年度)、宮城県に次いで東北第2の経済規模を持つ県です。豊富な土地や水資源があること、また新幹線や高速道路などの交通網が発達し、首都圏へのアクセスが良いことから企業誘致が盛んで、情報通信機器、電子部品等、日本を代表するメーカーの生産拠点が立地しています。また、酒造・醸造業・紡績業など地域に根差した伝統工業も発達する東北屈指の工業県で す。さらには稲作・野菜・くだものをはじめとした多様な農産資源や、温泉・史跡等の観光資源も豊富です。
しかしながら、東日本大震災と福島第一原発の事故による影響はいまだ色濃く、復興需要が堅調である一方、資材高、人材不足、人口流出、風評被害といった深刻な問題も抱えています。業種によらず、まだまだ平常の経済環境とは言えない状況にありますが、県内外の人々の努力によって復興への取り組みが進んでいます。

福島県における産業の特徴

福島県の求人状況

東日本大震災後に人材不足が深刻化しています。平成26年7月度の有効求人倍率は1.43倍と全国5 番目の高水準で、業種別にみると建設業、サービス業などで人材需要が旺盛です。しかしながら、復興需要の反動に対する警戒感も強く、正社員の求人については慎重な面も見られます。地場企業に関しては、業種に関わらず世代交代が進んでおり、次世代の経営幹部の採用ニーズは底堅く存在します。

福島県 転職市場TOPIX

建設業
復興需要が引き続き旺盛であり、技術系、特に施工管理職の資格保持者についてはほぼすべての企業に採用ニーズがあります。また、新築住宅の着工数減少が予想される中、事業の多角化・複合化を目指す企業も増えており、新分野を開拓する営業担当者のニーズもあります。また、建設業向けの資材・建材商社でも営業職ニーズが顕在化しています。
IT系エンジニア
業務系システムの受託開発に関しては、県内に大きな需要がないため福島県本社の企業でも関東への長期出張や派遣型の勤務を余儀なくされるケースがあります。また、受注単価が首都圏と比較して低いため、年収相場も比例して低くなります。一方、数は多くありませんが自社開発ソフトを保有している企業、Web系の独自性ある技術を持った企業は存在しており、強い採用ニーズがあります。
営業
業種問わず営業職のニーズは高まっています。法人向けでは食品メーカーの販路開拓、イベント・広告、システム関連、個人向けでは住宅・不動産のニーズがあります。どの業界でも顧客要望がより厳しいものになり、競争も激化しているため実力のある営業経験者であれば採用意欲は旺盛です。また、地方では業界の選択肢が限られているため異業種への転職も一般的であり、専門知識以上に営業としての「基礎力」つまり、対人力・対自己制御力などがより強く求められている状況です。
管理部門・マネジメント層
地場企業では経営者の世代交代に伴うニーズが底堅く存在。後継の経営者を支える、40代前後の管理部門・マネジメント層の求人ニーズが増えています。経営者と一緒に会社をつくっていくという役割の特性上、採用にあたっては経験・スキルはもちろん、仕事観・人間性・考え方がより重視されます。

福島県でUIターン人材が求められている理由

福島県の地場企業であっても県や地域、あるいは国境を超えた競争に晒されるようになった現在、全国クラス、世界クラスの企業に負けない付加価値を提供する企業になるためには、採用や社内研修に力を入れ、人材力を向上させていくことが必要です。そのときに採用対象となる人材こそが、首都圏の厳しい環境で揉まれた経験を持つU ターン人材です。また、福島県は高校卒業後に県外へ進学する割合が高く、そのまま県外(主に首都圏)の企業へと就職してしまう傾向にあります。そのため、中核となる人材層には慢性的な不足感があり、Uターン人材が求められているのです。